Audacity覚書⑥


コレまでのシリーズを含むエントリはコチラ

Audacity覚書①〜
http://d.hatena.ne.jp/Bluesman/searchdiary?word=audacity%B3%D0%BD%F1&type=detail

前回以来、"silence in blue"に3曲アップロードしたが、その際に活用した機能について。


■イコライゼーション
メニューの「効果」→「イコライゼーション」で、下のようなダイアログボックスが表示される。



スライダー式ではなく、水平線上の任意の周波数帯をダブルクリックして調整ポイントを作り、上下させるタイプ。ポイントはいくつでも作れるので、かなり細かい調整が出来る。画像はDigi-Zoで弾いたベースパターンの低音域を強調した場合。ボイスパーカッションの場合は低域と高域の両方を強調しておいた。


その下のオプションについては、さっぱり判らん(苦笑)


■フェーザー


フェイズシフターともいい、回転スピーカーで鳴らしたようなうねりを加える。Digi-Zoでのカッティングに使ってみた。いや、Digi-Zo内蔵のエフェクターでも当然出来るのだが、録音はプレーンな音で録ったので。


「効果」→「フェーザー」で、下のようなダイアログボックスが現れる。



パラメーターが難しいが、「LFO周波数」と「フィードバック」だけ弄ってれば大体の調整が出来る。「LFO周波数」で楽器のどの周波数帯をうねらせるのかを指定して、あとは「フィードバック」でかかり具合を調整する。「ステージ」ってのがイマイチよく判らんが、数値を上げていくとモジュレーションが深くかかるような感じ。フランジャーっぽくなる気がする。


■SC4


Audacityの効果リストを見て一番分かりづらいのがコレかもしれない。



なんとなくエンベロープ的なパラメータが並んでるが、一番下の"Makeup Gain"をハープにかけてみた。要するに、一度録ったあとの音の入力レベルを後から調整できる感じ。深くかければかけるほどディストーションがかかったようになる。歪まない程度に上げれば音にメリハリがつけられる。コレは意外と便利だと思った。


■Click Track


いざ録音と言う時に気になるのがテンポの維持だが、コレを使えばメトロノーム代わりのトラックを作成できる。メニューの「製作」→「Click Track」で、下のようなダイアログボックスが表示される。



テンポ、拍子、長さ(小節)を指定してOKを押すと、下のようなトラックが追加される。



「ピッ・プッ・プッ・プッ・ピッ・プッ・プッ・プッ・・・」というメトロノーム音が再生できる。リズム隊が出来るまでは、コレを鳴らしながら録ればOK。



その他雑感…


Audacityで4曲ほど録ってみたわけだが、最初はACIDとの違いに戸惑いつつも慣れればなかなか使いやすいと思った。もちろんACIDのようにループを弄るのには向かないが、通常のMTR的なレコーディングをするのに不足は無いと思う。


ACIDよりも良いところは、パートを録る度にWAVファイルを作成しないところ。ACIDでは何度も何度も録り直しているうちにNGデータが数百メガにまで溜まってしまうことがあり、結局使われなかったクリップを自動で削除することも出来ない。Audacityは録音の度にファイルを作成しないので、録音しながら空き領域を心配する必要は無い。


製作途中の状態を保存すると、「曲名.aup」というファイルと「曲名_data」というフォルダが作成される。ここで初めて現在トラックで使われているデータやNGだったデータが「*.au」という形式で書き出される。これを圧縮してメールに添付して送れば、受け取った人が開いてAudacityで読み込み、別パートの録音と編集は出来るわけだ。しかし、データフォルダにはNGデータが入っているので不必要に大きなデータになってしまう。コレをなんとか出来ないものか…